フノリの話

OLYMPUS DIGITAL CAMERA Photographer: Aomorikuma (Wikipedia / Wikimedia Commons)

新潟県名産「へぎそば」のつなぎに使われている「フノリ」について調べてみた。
フノリは真正紅藻綱スギノリ目フノリ科フノリ属に属する海藻の総称。漢字では「布海苔」と書くのが一般的だが、「布乃利」や「布糊」のほかにもいくつかあり、使用する場面(用途)によって使い分けていると思われる。
フノリが様々なものに使われていることに驚いた。
下記はフノリの製造販売「株式会社大脇萬蔵商店(福井市宝永)」のホームページ、その名も「ふのりドットコム」から引用させていただいた。

フノリの用途
 1:布の糊付
 2:屏風や軸物の絹地に糊付
 3:建材(柱の養生、保護紙用糊)
 4:紙貼り糊
 5:提灯や唐傘の防湿、艶出し
 6:皮製品のマスキング
 7:筆の穂先、水先、元結を固める
 8:陶器の絵付け時に(にじみ防止)
 9:茶碗・壷 艶出し
10:相撲の「さがり」を固める
11:歴史的な建築物と漆喰壁及び天井の保存修復
12:塗装用マスキング材
13:酒造などの製造タンクの密閉
14:お香を固める時
15:チューインガム(歯の再石灰化促進効果の向上)
16:海藻(布海苔)つなぎそば、うどん、そうめん
17:食用乾燥ふのり・味噌汁、サラダなど
18:海藻(布海苔)せっけん
19:海藻(布海苔)シャンプー、シャンフー
20:健康食品サプリメント

新潟県の小千谷や十日町あたりで、昔から名産品だった織物の糸の糊付けにフノリが使われていたことから、へぎそばが生まれたらしい。一つの素材が工業製品から食品に応用された例はユニークで珍しいだろう。