• カテゴリー別アーカイブ 産地
  • 高原そば

    【製造者】 株式会社おびなた(長野県長野市)
    【特徴】 そばつゆが絡みやすくアレンジ料理にも使える波打ち麺です。食塩不使用のつるつるとした食感です。
    【購入価格(税込)】 268円(340g)
    【原材料】 小麦粉(国内製造)、そば粉
    【茹で時間】 8分
    【管理人のコメント】 しっかりコシがある太麺だがつるつるっといただける。塩を使っていないせいか、このクラスにしてはより豊かな風味を感じた。
    340gの大袋でこのお値段なので、ただの「お徳用商品」と思ったら大間違い。他に類のない特徴を持ったおびなたの新製品なのだ。その特徴とは、、、
    1.無塩(乾燥時間の管理が難しくなるので安価な干しそばでは稀)
    2.波打ち麺(特別な製法を要するので安価な干しそばでは稀)
    3.長い茹で時間(無塩との関係だが、安価な干しそばは茹で時間が比較的短い)
    ということから、「高原そば」は従来の常識を打ち破った干しそばなのだ。


  • みわび 信州十割そば

    【製造者】 株式会社おびなた(長野県長野市)
    【特徴】 そば処「長野県(信州)」にて製造しました。自社製粉したそば粉だけでつくった十割そばです。挽きぐるみそば粉を使用したので、そばの風味をしっかり残しつつ、非常に食べやすい食感に仕上げています。
    【購入価格(税込)】 394円(200g)
    【原材料】 そば粉(国内製造)
    【茹で時間】 茹で7分、蒸らし2分
    【管理人のコメント】 日本中のスーパーマーケットの乾麺売り場で「おびなた」の商品を見ない日はない。更におびなたは、様々な大手企業とコラボした干しそばを数多く製造しており、本ブログでも日清フーズ株式会社とのコラボ十割西友のお墨付きブランドの干しそばを紹介してきた。おびなたは干しそば界の覇王だ。
    「みわび」は大手総合食品商社である株式会社日本アクセス(伊藤忠グループ)の乾物ブランド。以前のブランド表記「miwabi」から「みわび」に変更してパッケージデザインも一新した。また、株式会社日本アクセスはつい最近報告したTHE乾麺グランプリ2024の主催者でもある。
    久々の十割に茹でながら心が弾む。薄いクリーム色をした艶々の美しい茹で上がり。無塩十割にありがちなボソボソ感も無く、つるみと適度な弾力はベストな食感。噛むと蕎麦の香りと甘みが強く、麺つゆ無しで食べ続けてしまうタイプ。最後に濃厚なそば湯もたっぷりいただいた。お値段の安さも含めて満足度200%!


  • 太切り 石臼挽きそば

    【製造者】 株式会社北舘製麺(岩手県八幡平市)
    【購入価格(税込)】 301円(200g)
    【特徴】 石臼挽きそば粉が生む豊かな風味。
    【原材料】 そば粉(国内製造)、小麦粉、小麦蛋白、食塩
    【茹で時間】6分
    【管理人のコメント】 北舘製麺のそば粉は、冷涼な八幡平わんだい高原の契約農場で栽培している。収穫した玄そばは15℃以下の低温倉庫で保管し、必要な量だけ石臼でゆっくり挽いて直ちに製麺するから、一年を通して新鮮な干しそばをがいただけるのだ。
    この商品は太切りだが、食べてみると野趣な印象は打ち消され、上品な風味と滑らかな食感が楽しめた。
    ちなみに、北舘製麺は「打ちたてのおそばのおいしさを、ゆっくりと味わっていただきたい。」との思いから、八幡平の本社・工場の近くで二八そばを提供する「北の蕎麦屋」を営業している。岩手はなかなか行く機会がないが、社長こだわりのそばと地元の旬な食材を満喫してみたいものだ。


  • 手延べ 蕎麦

    【製造元】 岡下製麺所(奈良県吉野郡)
    【購入価格(税込)】 475円(180g)
    【特徴】 試行錯誤し、たどり着いた最も美味しい割合で、刃物を使わず手延べ製法で作られるそば。角がなくなめらかな口当たりとコシが魅力。
    【原材料】 小麦粉(国内製造)、そば粉、食塩、食用植物油
    【茹で時間】4分半
    【管理人のコメント】 岡下製麺所は霊峰大峯山を抱く豊かな自然の中、美しい空気と水に恵まれた天川村で昔ながらの「手延べ製法」により三輪素麺を製造販売している。ほとんどの干しそばは刃物で切って麺を形成するが、この干しそばは油を塗って延ばす、素麺と同じ製法で作られている。
    麺の太さはしっかりしており、色がかなり濃いので田舎そば風に見えるが、茹でるとさらに太くなり韓国冷麺のような滑らかさと弾力。麺を熟成させて引き延ばす手延べ製法が生む食感だろう。日本そばからは少々かけ離れているが、様々な食べ方を創造させる楽しい麺だ。


  • 宝来そば

    【販売元】 株式会社本家尾張屋(京都市中京区)
    【製造元】 柄木田製粉株式会社沢製麺(長野県長野市)
    【購入価格(税込)】 475円(180g)
    【特徴】 北海道産の蕎麦粉を使用した本家尾張屋自慢の蕎麦を、手軽な乾麺にしました。
    【原材料】 そば粉(国産)、小麦粉、小麦たん白、食塩
    【茹で時間】4分半
    【管理人のコメント】 本家尾張屋は京都市中京区車屋町の古い町屋造りの店舗で、菓子と蕎麦を提供する老舗。室町時代に菓子屋として創業。江戸時代になると「練る・伸ばす・切る」の技術を持つ菓子屋がそば打ちを請け負うようになり、尾張屋は江戸時代中期の1702年から蕎麦の提供を始める。日本で最も古い蕎麦屋さんのひとつ。「宝来そば」は、その老舗の味を家庭で味わえる干しそばだ。お店で提供している蕎麦と同じく、北海道で契約栽培している香り高い蕎麦粉を使い、京都らしく上品な細打ち麺に仕上げている。軽薄な弾力は抑えられサクサクとした食感。上質を極めた干しそばと言えるだろう。

    「宝来(ほうらい)とは」
    室町時代、金箔職人が部屋に散った金箔を集めるために蕎麦粉を使ったことから、蕎麦は「金」を集める縁起が良いものとして「宝来」と呼ばれるようになり、大晦日やおめでたいときに食べられるようになったそうである。


  • 雪んこそば

    【製造元】 桝田屋食品株式会社(長野県飯山市)
    【購入価格(税込)】 248円(200g)
    【由来】 海藻で旨味を出し、やまいも粉ですべらかなのど越しです。太さの異なる少し幅広の麺をブレンドし、コシの強さが自慢のおそばです。
    【原材料】 小麦粉、そば粉、小麦たんぱく、食塩、海藻、やまいも粉/増粘剤、炭酸ソーダ、リン酸カリウム、炭酸カリウム
    【茹で時間】5分
    【管理人のコメント】 2010年モンドセレクションで金賞を受賞している。ついこの前いただいた「雪んこそばGOLDの下位品で、そば粉の含有率はGOLDと比べるとぐっと少ないが、食べてみると絶妙なバランスは全く引け目を感じない。ちゃんと完成像を設定したうえでデザインした商品、という感じだ。
    飯山市をはじめ北信州の家庭で昔から愛されてきたソウルフード。飯山市の故郷納税返礼品で人気No.1との呼び声も高い。食べたらその理由が、はっきり納得できる。


  • 松葉庵 葉山そば

    【製造元】有限会社松田製麺所(山形県村山市)
    【特徴】「週刊現代」全日乾蕎麦大賞受賞商品。白い一番粉から黒い三番粉までをふんだんに使った太目の田舎蕎麦仕立て。コシのあるしこしことした味わいに爽やかな香気が特長です。
    【購入価格(税込)】205円(180g)
    【原材料】小麦粉(国内製造)、そば粉、食塩
    【茹で時間】10分
    【管理人のコメント】 かなり太いモチモチタイプなので、よく(ラーメン屋さんの)つけ麺で使われる平打ち太麺の食感に近い。さらにはそば殻の粒々を感じるので、全粒粉つけ麺を食べている感じだ。極太だが短めなので箸でサッと持ち上げやすく、持ち上がる量もちょうどよくなる。麺自体が美味しいので、さっぱりしたつけ汁で食すのもいいが、こってりした胡麻ダレとか味噌だれとか、あるいは背油系のつけ汁も、しっかり受け止めてくれるたくましさもあり、懐が深い麺という感じだ。


  • 白い太切り蕎麦

    【製造元】柄木田製粉株式会社(長野市川中島町)
    【特徴】豪快な太麺で満足感満点のお蕎麦になります。 しっかりとした弾力のある太麺で、新しい喉ごしと滑らかな口当たりが特徴になります。ざるそば、かけそば、混ぜそば、ともに相性が良いので幅広くお楽しみいただけます。
    【購入価格(税込)】375円(220g入)
    【原材料】そば粉(国内製造)、小麦粉、小麦たんぱく、食塩
    【茹で時間】6分
    【管理人のコメント】「黒い太切り蕎麦」をいただいたのは2019年4月7日のこと。この度その姉妹品(白い方)をいただくまで5年も経ってしまった。
    黒い方はしっかりした蕎麦の風味と歯応えが特徴だったが、こちらは豊かな甘みと滑らかなのど越しが特徴。太麺と言っても極端な平打ちなのでスルスル、サクサクっと軽くいただける。柄木田製粉さんは今まで、個性的な干しそばを出しては楽しませてくれた。この商品も個性的だが定番商品として長く販売されると思う。


  • 国産二八ざる蕎麦

    【製造者】 山本食品株式会社(長野県長野市)
    【販売者】 株式会社山本かじの(長野県長野市)
    【特徴】 使用原料はすべて国内産。細麺でのど越し良い二八ざる蕎麦
    【購入価格(税込)】 495円(200g)
    【原材料】 そば粉(北海道産)、小麦粉(国内産)、食塩
    【茹で時間】 3分30秒
    【管理人のコメント】 山本かじのさんの二八そばと言えば、2020年2月に「国産の二八蕎麦」をいただいたが、この商品は2024年3月1日発売の新製品。同じ二八でも茹で時間わずか3分半の細打ち麺だ。
    更科風の美しい茹で上がり。細麺なので麺つゆをたっぷり含んでスルッと入ってくる。素材の良さがちゃんと味わえる逸品。しかし、ここまで細いと「そば食べてる!」という実感が薄い。(あくまで個人的な感想)のちに二八そば史上最も濃厚なそば湯を飲んだら「そば食った!」と実感して満足した。


  • 信州 十割そば

    【製造元】 株式会社沢製麺(長野県上伊那郡)
    【購入価格(税込)】 327円(200g)
    【特徴】 当社の長年の研究と技術の完成により作り上げた、そば粉十割の本造りそば。
    【原材料】 そば粉、、食塩
    【茹で時間】茹で4分+蒸らし2分
    【管理人のコメント】 沢製麺さんは大正7年(1918年)に創業。そば造り一筋100年越えの老舗だ。つなぎを一切使わない、そば粉十割の干しそばはを作るためには高い技術が必要なので、数少ない製造者のひとつとなる。
    茹で上がりは太目、且つ硬めで歯応えがある。のど越しよりも、よく噛んで野趣に富んだ風味を楽しむタイプだと思う。濃厚で美味しいそば湯もたっぷりいただいた。


  • 雪んこそば GOLD

    【製造元】 桝田屋食品株式会社(長野県飯山市)
    【購入価格(税込)】 359円(200g)
    【由来】 海藻をつなぎで、なめらかな食感はそのままに、そばの香り、コシの強さ、のど越しの良さのバランスが絶品です。茹でた後のそば湯も美味しい本格派。
    【原材料】 そば粉、小麦粉、食塩、海藻、小麦たんぱく
    【茹で時間】4分半
    【管理人のコメント】「雪んこそば」は桝田屋食品の干しそばブランドで、中でも贅沢な干しそばを意味する「GOLD」を冠したこの商品は、そば粉の配合率が最も高く、長野県内のそば通地元民に長年愛されて続けているらしい。
    茹で上がりの美しさから期待は高まり、一口食べて期待が驚きに変わった。一通りの干しそばを食べてきたと思っていたが、とんでもない思い上がりだった。高配合な干しそばの美味しさは言うまでもないが、この商品の凄さは何といっても絶妙なバランスだろう。大げさな言い方かもしれないが、欠点がみつからない。

    ■余談ですが
    この干しそばのバランスの良さには、海藻が一役買っているみたいだ。
    つなぎに海藻を使うのは新潟県「へぎそば」の特徴だが、長野県の干しそばでは珍しい。
    へぎそばの本場である新潟県十日町市は信濃川の流域にあり、そこから上流に遡り長野県に入ると、信濃川は「千曲川」に名前を変える。雪んこそばの桝田屋食品は千曲川のほとりにあり、十日町市からの距離はわずか50㎞。何かの繋がりがあったのだろうか。


  • 幻の山形天保そば

    【販売元】 幻の山形天保そば保存会(山形県山形市)
    【製造元】 合資会社酒井製麺所(山形県山形市)
    【購入価格(税込)】 464円(200g)
    【由来】 天保大飢饉の時、子孫のためにと「そばの実」がつめられた俵が、1998年に福島県大熊町の旧家から出てきた。保存会に託されたひとにぎりのそばの実を「天保そば」として160年の眠りから蘇らせた。以来、飛島で原種保存し、食用は山形県内で生産している。
    【原材料】 そば粉、小麦粉、、食塩
    【茹で時間】7~8分
    【管理人のコメント】 160年前の種が発芽して、それが乾麺となって全国の人が味わえる。あらためて乾麺って素晴らしい!!
    乾麺の状態で薄っすら緑がかったいい色をしている。ピンと貼りがある茹で上がり、滑らかな舌触りとサクサクした食感。香りもいい。良質な干しそばにある共通の特徴だ。
    幻の山形天保そば保存会・石沢俊幸会長がおっしゃる「現代のそばと違う古の味わい」は、私の舌では正直言ってわからなかったが、原種を後世まで保存していただき、干しそばの販売も続けていただくことを切望する。次回は是非出来立てを味わってみたい。

    ■天保そば保存会オフィシャルサイトこちら
    天保そばに関する詳しい情報や、毎年限定販売となる乾麺の発売を告知している。

    ■余談ですが
    2012年にロシアの研究チームが約3万2000年前のナデシコの種子から花を咲かせることに成功したという例もあり、種を保存する植物のメカニズムって凄い!
    Nikkei National Geographic web site


  • 頭脳蕎麦

    【製造元】 今田(こんた)製麺所(山形県西村山郡河北町)
    【購入価格(税込)】 250 円(280g)
    【特徴】 細打ちの田舎蕎麦です。
    世界初、頭脳粉配合の蕎麦をぜひお試しください。 頭脳粉とは、ビタミンB1を豊富に含む歴史ある小麦粉です。
    【原材料】 小麦粉、そば粉(25%)、食塩、ビタミンB1
    【茹で時間】 6~7分
    【管理人のコメント】 前回に引き続き、三軒茶屋駅近くのアンテナショップ「かほくらし」で購入。
    頭の働きをよくすると言われるビタミンB1を多く含む小麦粉「頭脳粉」を使用している。「頭脳パン」は聞いたことがあるが頭脳蕎麦は初耳。今田製麺はうどんや素麺も製造しているのに、何故名前が紛らわしくなってしまう「蕎麦」で商品化したのだろうか?
    前回食べた奴そばに比べて若干細い麺。食感や味はほとんど一緒に思えた。

    ■頭脳パンとは
    頭脳パンは、大脳生理学者で作家の木々高太郎(本名:林髞)の著書『頭のよくなる本 – 大脳生理学的管理法』(1960年(昭和35年)刊行)で提唱されて話題となった。同書によれば「通常の小麦粉にビタミンB1を100グラムあたり0.17ミリグラム以上配合した「頭脳粉」を原料とし、このビタミンB1により脳の働きが活発になり記憶力や思考力が良くなると説いた。
    その後、頭脳パンは多くの製パン会社が製造販売したが、特にブームになったのは1993年頃。テレビ番組で東大生協で人気のパンと紹介され、受験生の子供を持つ一部の母親に人気となった。


  • 谷地名産 奴そば

    【製造元】 今田(こんた)製麺所(山形県西村山郡河北町)
    【購入価格(税込)】 230円(270g)
    【特徴】 今田製麺所を代表する昔ながらの田舎そば。コシ、蕎麦の香りが生きています。蕎麦は生麺!というあなたの常識を、奴そばが覆します。全日本乾蕎麦大賞受賞。
    【原材料】 小麦粉、そば粉(25%)、食塩
    【茹で時間】 8~9分
    【管理人のコメント】 三軒茶屋駅近くに河北町(山形県西村山郡)のアンテナショップ「かほくらし」がある。週末はこの店の前をよく通るが、この日何となく店頭を見ると古風なパッケージに目を引かれた。山形県は乾麺作りが盛んで本ブログでも多くの商品を紹介してきたが、この商品は見たことがない。早速買って帰って調査開始。
    河北町は山形県のほぼ中央部にある人口約17,000人の町。町内には南北に最上川が流れ、清流寒河江川にも囲まれた豊かな土壌を持ち、古くから田畑が開かれ、江戸時代から明治初期にかけては米と紅花産業が繁盛して町が発展した。
    この豊かな地で明治18年に創業した今田乾麺は、原料となる蕎麦粉・小麦粉・水にこだわり、独自の製法で様々な乾麺を生み出している。「奴そば」は同社を代表する商品で、(時期はわからないが)全日本乾蕎麦大賞を受賞したらしい。
    小麦の配合が多く蕎麦としては太目なので、細めのうどんのような食感。一束270gを二人で分けたので、かなり食べ応えがあった。


  • 播磨之國 夢そば

    【販売元】 有限会社夢前夢工房(兵庫県姫路市)
    【製造元】 ⽥靡(たなびき)製麺株式会社(兵庫県姫路市)
    【購入価格(税込)】 フリマで購入したので不明(200g+めんつゆ3人前)
    【特徴】 石臼で挽いた風味ある粗挽きのそば粉を使用しています。
    【原材料】 そば(兵庫県産)、小麦粉、小麦グルテン、食塩
    【茹で時間】 再沸騰後3分半
    【管理人のコメント】 有限会社夢前夢工房は農業を基幹事業としながら、様々な加工食品の開発や飲食店の運営を行って食物の地産地消を推進しており、この干しそばも地元の原料を使用して地元の工場で加工したもの。調べた限りネットでの流通は確認できず、このようなレアものに出会えたことに感謝したい。
    製造元の⽥靡製麺さんは、全国規模の大手スーパーで定番販売されている「出石そば」で有名。出石そばは太目の田舎そばだが、この干しそばは細造り。
    伸縮性に富んだ茹で上がりで舌触りが非常に滑らか。そば離れしている感があるが、かえってこの方を好む人も多いだろう。

    余談ですが
    付属のめんつゆは、日本天丸醤油株式会社(兵庫県たつの市)で製造されたもの。ちょっと甘めで麺とともに地域の味の特徴を伝えてくれる。
    関西の食文化について語るとき、昆布だしとともに外せないのが、淡口(うすくち)醤油だ。だしの風味や食材の持ち味を生かすために、色も香りも淡く仕上げられた淡口醤油は、関西料理にはなくてはならない存在である。淡口醤油は江戸時代中期(17世紀半ば)に龍野(現在の兵庫県たつの市)で誕生したと言われている。


  • 満さくそば

    【製造元】 玉川食品株式会社(東京都北区豊島)
    【購入価格(税込)】 324円(210g)
    【特徴】 石臼で挽いた風味ある粗挽きのそば粉を使用しています。
    【原材料】 小麦粉(国内製造)、そば粉、食塩
    【茹で時間】 5~6分
    【管理人のコメント】 玉川食品株式会社は昭和10年の創業以来、うどん、そば、冷麦、パスタなど様々な麺を作り続け、今や東京23区内で最後に残った乾麺製造メーカーだ。
    稲などの作物が豊かに実り、収穫が多いことを意味する「豊年満作」から取った商品名は、原材料を提供してくれる農家とともに繁盛することを願ってのことだろう。
    モチモチと弾力に富み、ツルツルと滑らかな食感で、誰にでも好まれそうな美味しい麺だった。


  • つるっとごまそば 乱切り仕立て

    【製造元】 株式会社フタバ製麺(北海道留萌市)
    【購入価格(税込)】 248円(180g)
    【特徴】 石臼引きしたそば粉と胡麻を使用し、麺の太さを3種類の乱切り仕立てで風味豊かな香り、なめらかな口あたりに仕上げました。
    【原材料】 小麦粉(国内製造)、そば粉(そば北海道産)、小麦たんぱく、ごま、食塩
    【茹で時間】 9分
    【管理人のコメント】 パッケージに「調理方法は枠外に記載」とあるがどこにも書いてない。フタバ製麺のホームページにも書いてない。パッケージの裏面をよく見るとシールになっているので、剥がしてみたら「おいしいお召し上がり方」の表記が現れた。何か茹で時間を隠す理由があるのだろうか。
    茹で時間9分はかなり長い。疑いながらその通り茹でてみると麺がかなり太ったが、コシはしっかりしていて喉越しもいい。ほんのりと胡麻のかおりがして、なかなか美味しい麺だった。


  • 植物の力 よもぎそば

    【販売元】 有限会社双葉マルヤス製麺所 (福井県福井市)
    【製造元】 友吉製粉製麺(福井県坂井市)
    【購入価格(税込)】 800円(160g)
    【特徴】 国産よもぎ・福井県産玄そば使用。厳選された素材から生まれる自然本来の味。
    【原材料】 そば(福井県産)、小麦(国内産)、よもぎ粉末(国内産)、食塩
    【茹で時間】 5~6分
    【管理人のコメント】 福井県勝山市の道の駅に「細・淡・美 さらりそば」と並んで販売されていた。まるで姉妹品のようなパッケージデザインだが、中身はまったく異なるタイプ。裏書を読むと、なるほど製造元が違っていた。
    よもぎそばと言えば神奈川県の「季穂 よもぎそば」を思い出す。「よもぎの粒がたくましく麺に突き刺さっている!という感じだ。」とは我ながら言い得て妙だった。このそばはそれを超えるほどたくましい麺だ。さらに麺の太さをわざと不均等に製麺することで、野趣に富んだ田舎蕎麦に仕上がっている。噛むと草の香りがはじけ飛んで癒される。
    よもぎを練り込んだ餅であんこを包み、軽く焼き目をつけた故郷の銘菓「おやき」を思い出した。


  • 細・淡・美 さらりそば

    【製造者】 有限会社双葉マルヤス製麺所 (福井県福井市)
    【特徴】 早ゆで90秒・福井県産玄そば使用。のどごしさらり、素材引き立つ極細そば。
    【購入価格(税込)】 800円(160g)
    【原材料】 小麦粉(国内産)、そば粉(福井県産)、食塩
    【茹で時間】1分30秒~2分
    【管理人のコメント】 福井県勝山市の道の駅で購入。おしゃれな箱に入っており、ご自宅用というよりはお土産用だろう。開封してみると、その極細麺にピンときた。これは2021年4月に投稿した「匠 超細サラそば」とほぼ同一商品ではないか。その細さは素麺またはそれ以下かもしれない。
    素麺は麺の太さに規定がある。麺の太さは食感を支配するので、それだけに重要なのだ。素麺もそばも素材の味は淡白で、同じようなつゆで食す。だからこの商品は、そばを食べているのか、素麺を食べているのか、わからなくなる。
    個人的には、そば処福井の土産として進呈するなら、稀有なものではなく、そばらしいものを選ぶだろう。

    パスタと同じ丸い断面。
    ダイスで絞り出す製法だろうか。


  • イトメンの二八そば

    【製造者】 イトメン株式会社(兵庫県たつの市)
    【特徴】 江戸時代の庶民の食べ物として親しまれた「二八そば」をイメージして作られています。老若男女問わずおいしくて食べやすいそばに仕上げています。
    【購入価格(税込)】 454円(麺525g、つゆ付き)
    【原材料】 小麦粉(国内製造)、そば粉、食塩、山芋粉
    【茹で時間】4分
    【管理人のコメント】 現代で「二八そば」と言えば、そば粉8割、小麦粉2割を指すのが常識だが、江戸時代はそうでなかったという話。何しろ江戸時代の後期、物価統制でうどん・そばが16文と決められていた時代が100年以上も続いていたというから驚きだ。この期間、しゃれ好きの江戸庶民が16文のそばを「にはち十六」に掛けて「二八そば」と呼んでいた。その当時の二八そばをイメージして1976年に生まれたのが、この商品というわけだ。
    味わうと江戸時代の庶民の味が蘇ったかのような感覚になる。磨き抜いたつゆが付き、保存に便利なチャック付き袋も庶民(消費者)にとって嬉しいポイントだ。