予約しておいた「新そば月山2023」が届いた。
「新そば月山」は山形県西川町産キタワセソバを使用している。昨年2022年の穀物検査では一等合格だったが、今年は猛暑の影響で二等合格だったらしい。しかし新鮮なそばの風味は相変わらず抜群だ。茹で上がりをご近所に食べていただいたら、その美味しさに驚いておられた。
乾麺の世界にも新そばがあることすら、あまり知られていないだろう。これからも干しそばの美味しさを、ひとりでも多くの人に伝えていけたら幸せだ。



全国の干しそば(乾麺)をご紹介
【製造者】 株式会社ニップン(東京都千代田区)
【特徴】甘皮を挽きこんだ香り高い石臼挽きそば粉使用。上品な色と香りの藪そばです。また乱切り刃で仕上げ、めんの太さがふぞろいになることで、食感と香りをひき立てました。※石臼挽そば粉86%使用(そば粉に占める割合)
【購入価格(税込)】 390円(200g)
【原材料】 そば粉(国内製造)、小麦粉、食塩
【茹で時間】4分
【管理人のコメント】 上野藪そばは1892年(明治25年)初代の鵜飼安吉が現在の本店の場所に「藪安」の屋号でそば屋を創業。現在の4代目まで伝統の味を継承している。一方製造元のニップンは1873年(明治6年)に北海道で製粉業を始め、1879年(明治12年)から東京で製粉事業を開始した。東京で同じ時代からそばに携わってきた両者がコラボしたのは必然かもしれない。
濃い茹で汁から推測すると、そば粉の割合は8割以上。茹で上がりは張りと艶があり、白く美しい。最初はいつも通り何もつけずに食べてみる。絶妙の食感と味わいを確かめるように100g近く何もつけずに食べてしまった。
2人前(200g)をペロリといただき、濃厚なそば湯もたっぷりいただいた。さすが業界トップの両者が完成させた商品!という感じだ。




【製造者】 株式会社そばの更科(岐阜県郡上市白鳥町)
【特徴】清流長良川の源、奥美濃地方に古来より伝わる「しまだ式製麺法」と「冷風長時間乾燥」。60時間以上かけてじっくり乾燥。
【購入価格(税込)】 いただきものなので不明(450g)
【原材料】 小麦粉、そば粉(20%)、山芋粉末、食塩
【茹で時間】6~7分
【管理人のコメント】 株式会社そばの更科の古式しまだ麺シリーズは今回で3つめとなる。「しまだ式」は麺の形状が日本髪の「高島田」に挿すかんざしに似ていることから由来しており、手作りの温もりが伝わってくる独特な麺だ。
前回投稿した「奥美濃 石臼挽きそば」と原材料が同じだが、茹で時間が異なる。恐らく、小麦粉と山芋粉の割合を多めすることで、コシと滑らかさを増して差別化したのではないだろうか。
「奥美濃 石臼挽きそば」が太目の田舎風で“むしゃむしゃ”と噛みしめるようにいただくそばに対して、このそばは、平均的な太さでコシと滑らかさがあり、「蕎麦より素麺派」という人も美味しくいただける麺だ。




【販売者】 株式会社オカベ(徳島県美馬郡)
【購入価格(税込)】 432円(250g)
【特徴】 手延べ麺を乾燥させるとき、竿に掛けられた部分を“ふしめん”と言い、手延べ麺だからできる麵です。
【原材料】 小麦粉(国内製造)、そば粉、食塩、食用植物油、/小麦たん白
【そばの割合】2割
【茹で時間】 3~4分
【管理人のコメント】 「ふし麺」とは手延製法で、干し上がった麺をカットしたときに余る麺の端。うどんや素麺ではお馴染みだが、そばのふし麺は珍しい。間違いなく、前回食べた「オカベの麺 そば」を製造した際の副産物だ。おみそ汁や卵とじ、サラダなどによく使われるらしいが、あえてそのままをそばつゆでいただいてみた。
麺が短いうえに壊れやすく、ご覧のような茹で上がりなので箸で食べるのは少々苦労する。途中スプーンに持ち変えようかと思ったが、そばに失礼なので最後まで箸でいただいた。
「オカベの麺 そば」と同じ成分なのに、違った味わいがある。写真ではしずる感が伝わらないかもしれないが、モチモチしてとても美味しかった。(しかし次回は違う食べ方をしよう。)




【販売者】 株式会社オカベ(徳島県美馬郡)
【購入価格(税込)】 459円(80g×3束)
【特徴】 手延べの麺ならではの弾力のある歯ざわりと喉越しの良さ。麺の表面はつるつると柔らかいのに、噛めば噛むほど感じるコシの強さとそばの香りをお楽しみください。
【原材料】 小麦粉、そば粉、食塩、小麦たん白、食用植物油
【茹で時間】 4~5分
【管理人のコメント】 株式会社オカベは徳島県の半田地区で約300年の歴史を持つ「半田そうめん」を製造している。オカベの麺最大のポイントは「ねじりまき」。麺をねじりってらせん状にしながら麺圧をかけて麺線を細くすることで、麺が鍛えられ強いコシのある麺に仕上がる。その手延べ技術で製造したのがこの干しそばだ。オカベの干しそばは「そばらしさ」を追求するのではなく、あくまで「オカベの麺らしさ=ツルツル、シコシコ」にこだわり、小麦粉とそばの割合を(小麦粉8,そば2)とした。
このように「そばの枠(常識)」にはまないのが干しそばの面白さでもある。
余談ですが
そうめんより太く、うどんより細い半田そうめん。半田そうめんの多くは直径1.3mm〜1.6mmが多いのでJAS規格では「ひやむぎ」に分類される。しかし、江戸時代中期から続く伝統と技術により「そうめん」 と表記できることになっている。




【販売者】 北山製麺(富山県富山市)
【購入価格(税込)】 486円(220g)
【特徴】
【原材料】 小麦粉(国内製造)、そば粉、食塩
【茹で時間】 7~8分
【管理人のコメント】 富山と言ってすぐに思いつく麺類は「氷見うどん」と「富山ブラック(ラーメン)」だろう。そばのイメージは薄いが、調べてみると八尾山間部では江戸時代からそばが盛んに作られていたという。さらに現代では「おいしいそば産地大賞2022」で八尾産在来種のそばが第2位を受賞している。(ちなみに1位は福井在来、3位は茨城の常陸秋そば)北山製麺はその伝統の味を乾麺で引きついでいるのだ。
かなり太目なので茹で時間が7~8分と長い。小麦が主成分なので滑らかな舌触りでコシがあり、うどんのような食べ応えがある。それでいて野趣に富んだ田舎そばの雰囲気もあり、幅広い麺食いに好まれるだろう。




【販売者】 株式会社千葉穀物(千葉県山武市)
【製造者】 山本食品株式会社(長野県長野市)
【購入価格(税込)】 810円(200g)
【特徴】 百年前から千葉県で脈々と受け継がれてきた在来種を千葉の大地で肥料や農薬に頼らず、純粋に土と太陽と雨の力のみで育て上げました。
【原材料】 千葉県産自然栽培そば粉
【茹で時間】 5~6分
【管理人のコメント】 乾麺の表情から非凡さを予感させる。茹でているときの湯気の香りで、予感が確信に変わる。これ絶対間違いないでしょう!
腰とか弾力とかではない、何とも言えない噛み応え。蕎麦汁に浸すのがもったいない。ずっと麺だけを味わっていたい。最後に濃厚なそば湯で身も心も満たされる。まさに感動の一品。お値段も非凡。





■千葉在来と多品種との比較(AI生成)

【販売者】 株式会社小山製麺(岩手県奥州市)
【購入価格(税込)】 324円(200g)
【特徴】 風味豊かな国産のりを使用して、喉ごしなめらかな細めのおそばに仕上げました。温かくしても、冷たくしても四季を通して美味しくお召し上がりいただけます。
【原材料】 小麦粉(国内製造)、そば粉(そば(国産))、のり粉末、食塩
【茹で時間】 4分半
【管理人のコメント】 昆布、わかめ、ふのりなどの海藻が入った干しそばは多々あるが、海苔は以外に少ない。
茹でている最中から海苔のいい香りが漂う。極細の乾麺だが茹で上がりは意外にも太くプリプリで、韓国冷麺のような仕上がり。パッケージ裏面に記載の調理例も冷麺に似た「サラダ麺」というのも納得。そば湯も意外と美味しく、いろんな「意外」が楽しめた商品だった。




【販売者】 株式会社王滝(長野県松本市)
【製造者】 戸隠松本製麺株式会社(長野県長野市)
【購入価格(税込)】 2,700円(干しそば(180g)×3束、つゆ付きのギフトセット)
【特徴】 「小木曽の干しそば」は信州木曽の玄そばを使用。信州の山里をおもわせる田舎そばに仕上がっています。
【原材料】 そば粉(そば長野県産)、小麦粉、小麦たんぱく、食塩
【茹で時間】 5分
【管理人のコメント】 販売元である株式会社王滝は、長野県を中心におそばレストラン「小木曽製粉所」約30店舗を経営されている。ファミリーレストランような店舗だが、さすがにそば処の長野だけあって、長野産玄そばを自社製粉して二八で提供する。そのこだわりのそば粉で作ったのが「小木曽の干しそば」なのだ。
透明感のある薄茶色の中に多くのホシ(殻の粒々)が入った田舎風。見た目も風味もまるで手打ちそばのようだ。




【製造者】 入澤製麺株式会社(新潟県南区)
【購入価格(税込)】 260円(180g)
【特徴】 「朱鷺と人が安心して暮らせる郷づくり」を進める新潟県佐渡。「佐渡の朱鷺そば」は、佐渡にて栽培されたそばの実を使用しております。
【原材料】 小麦粉(国内製造)、そば粉、海藻、食塩
【茹で時間】 5~6分
【管理人のコメント】 「ときそば」と聞くと落語の「時そば」を連想するが、こちらのトキは鳥の方。朱鷺そばは、ちょっと前にいただいた「佐渡のなが藻そば」の姉妹品。新潟の干しそばの多くは海藻を使用していて、朱鷺そばは定番の「ふのり」をつなぎとしている。
白く美しい茹で上がり、柔らか目で滑らかな食感と優しい風味。入澤製麺がモットーとする「体にやさしいめん造り」がちゃんと伝わってくる商品だった。
朱鷺(トキ)の話
トキはかつて日本全土に生息していた。狩猟や農薬の使用、生息地開発などの環境破壊によって激減し、1952年に「特別天然記念物」、1960年「国際保護鳥」に指定される。その頃にはすでに20羽前後にまで減少していた。
1981年から野生のトキを保護して人工飼育が始めたが成功せず、日本の国内産トキは2003年に絶滅した。
しかし中国から提供されたトキから繁殖・放鳥を繰り返し、現在佐渡には推定500羽近くが生息している。トキをシンボルにした佐渡の自然再生の取り組みが「佐渡モデル」として注目されている。



